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マグネットとは
スピーカーユニットに使われるマグネット(磁石)は古くはコイルに直流電流を流して作る電磁石が使用されていました。1955年ごろからは永久磁石を用いた動電型(ダイナミック型)がより性能がすぐていることから普及しだし、現在に至ります。
マグネットに利用される永久磁石は1955年~1970年半ばぐらいまでは、アルニコ系の磁石が用いられていましたが、原材料のコバルトが高騰しフェライトマグネットに取って代わられました。1982年に住友特殊金属の佐川氏によって開発されたネオジウムマグネットは理論上フェライトマグネットのエネルギー10倍以上あり性能が優れていることから普及が進んでいます。
マグネットは一般的に磁力が強力なものほど再生音圧、ダンピング(特に音の立ち上がり感、立下り感)などが優れると考えられるので、最も磁束密度の高いアルニコがマニアの間ではもてはやされ高価に取引がされている。しかしマグネットの性能は単体の磁束エネルギーが重要なのではなく、ヨークとポールピースの間の僅かな隙間(ギャップ)に流れる磁束が大切な訳で、当然ヨークやポールピースの性能や配置の影響を強く受ける。アルニコVSその他のマグネットという議論はマニアの間でやむことがないだろう。
FOSTEXのFE208ES-R。巨大なアルニコマグネットを搭載している。