PIONEER S-1EXの視聴・評価

PIONEER S-1EX視聴後の大山の感想
S-1EXはパイオニアのウルトラハイエンドスピーカREFERENCE1の弟分、いや小型バージョンとでも呼べばよいのでしょうか?ユニット構成、リニアフェイズ方式のバッフル、ベリリウム搭載の同軸ユニットなど全てリファレンス1譲りの構成となっています。
S-1EXのウーファーユニットは16センチ×2で使われている振動板は3層構造のTADドライバーTL0701。同軸2wayユニットは14センチ1発でリファレンス1より一回り小さい構成となっているが、高域の出方に関してはほぼ同じと考えてよいだろう。REFERENCE ONEは同軸2wayユニットのスコーカー部分とツィーター部分にベリリウムを利用しているが、S-1EXはツィーターのみベリリウムを利用している。
箱は66kgもありMDF製。私のD58ESとほぼ同じ重さだから一人で動かすは相当しんどいと思う。最も分厚いところ(おそらくフロントバッフル)で10センチの厚みになるらしいから相当しっかりしている。メーカー製で箱にバーチなどの高級木材を使えるのはやはり100万以上のハイエンド品のみでどうしてもユニットや宣伝費の方にお金が回ってしまうらしい。
バッッフルは半円形で内側に三日月型にそれていてリスニングポイント3mで位相がぴったりあるように設計されているそうだ。これをパイオニアはプレシジョンカーブという名前をつけているが、いわゆるリニアフェイズの考え方で位相特性を合わせる狙いがある。
S-1EXは目黒にあるパイオニアの視聴室でソース持込の上視聴しました。音はかなり明確な輪郭を表現し密度も大変高いが決して聞き疲れするように高域で個々のキャラクターを強調することは決してない。中高域のバランスが大変優れているのが特徴で、ボーカルや弦などはまさにリファレンスワンゆずりの実力を持っている。低域の量感では REFERENCE1に負けるが、メリハリのよさや切れ感はほぼ同じ。
中高域の定位感の良さと音像の小ささでは個人的にはリファレンス1よりS-1EXの方が上の気がする。reference1に使われている同軸2wayユニットは16センチつまりロクハンユニットであるがこちらは14センチ。 自作spの経験上、ボーカル帯域を生かすにはスコーカーは8センチぐらいの小型でいくのが音が最もクリヤーにでる。そういう意味で、S-1EXはREFERENCE1よりか若干音の像は小さく、ボーカルも生き生きしている印象を持った。スピーカー何も高価であれば良いわけではない。
S-1EXはおそらく価格や性質上B&Wの803Dや803Sあたりと競合する商品だろう。B&Wよりか低域、中低域よりにポイントがある点はかなり違うが、定位感、音の像の表現の仕方などはだいぶ似通ったモニター色の強いスピーカーだ。
パイオニア S-1EXカタログより特徴
- 型式:位相反転式トールボーイフロア型、防磁設計(JEITA)
- スピーカー構成:3ウェイ方式 ウーファー:18 cm コーン型 × 2 ミッド/トゥイーター:同軸14 cm コーン型 / 3.5 cm ドーム型
- インピーダンス:6 Ω
- 再生周波数帯域:28 Hz ~ 100 kHz
- 出力音圧レベル:89.5 dB (2.83 V)
- 最大入力:200 W (JEITA)
- クロスオーバー周波数:400 Hz、2 kHz
- 外形寸法:422 mm (W) × 1283 mm (H) × 609 mm (D)
- 質量:66 kg
- 付属品:グリルネット、 スパイク受け × 4