JBL Project K2 S9800SEの視聴・評価

JBL Project K2 S9800SE視聴後の大山の評価
JBLのリファレンススピーカーの頂点に立つ、Pjoject K2 S9800は前モデルのS9500から12年の歳月をかけて2001年に発表されたスピーカー。2004年にネットワーク部分が改良されS9800Special Editionになりました。
音は4343系の「太くて重く芯のある低域」を強調した伝統的なJBLサウンドとは違う、ある意味カラレーションを排したモニター系の色の強いスピーカーとなりました。(4343系が「スタジオモニター」、S9800系が「リファレンススピーカー」と呼ばれているが私的には4343系がJBLのリファレンスで、S9800がモニターの気がするのだが、つまり逆の呼び名の方がしっくりくる。)
バッフルを最小限の大きさにして、各ユニットの奥行き方向の配置をリニアフェーズ方式としていることが位相重視の現代的モニタースピーカーの音を象徴づけています。4343系は大型バッフルにユニットを配置しているが、これは低域増強効果があるが音の回折及び、ユニット間の相互干渉で特性は乱れ定位感は悪化する。このS9800とB&Wの801を頭で想像してみよう。ユニットの配置は似ているでしょ。300万クラスのはハイエンド系は今のところこの形に収束しているような気もする。(関係ないが車もメルセデス、レクサス、BMW、アウディー超高級車は似た形してる)
このS9800ではジャズ、ボーカル、クラシックなど様々な場所で視聴したが、一番びっくりしたのがボーカルの定位感。ありきたりな表現になるが「実際に人がいるのでは」と思った。これを3way、大型ウーファーで実現できるのはJBLくらい。音の分解能力も大変高く、クラシックでも十分こなせる能力をもつ。値段が値段だけにやはり下位のS5800とは大違いのポテンシャル。
はじめにこのスピーカーはJBLらしさが少ない「モニター系」と書いたがそれは43**系に比べてという意味で、B&W、FOCAL、自作のD-58とは全然違う。JBLの低域の厚み、ホーンからでる金管のリアリティーは健在。
S9800に利用されているユニットは現在考えられうる最良のものを組み合わせている。ウーファーには20年ぶりに「アルニコ」を復活させた。そして現在ツィーターに用いられる素材として最も高級で音質的に優れている最強の「ベリリウム」、このS9800は最高級機器だけに、ミッドのドライバーとツィーター2つともベリリウムを採用している。こちらの両素材はどちらもアルミやチタンなどに見られる金属臭さが全くない最強の振動板。
うれしいことにこのスピーカーはユニットが単体で発売されている。380mmウーファー<1500AL>が1本20万、ミッドドライバー<435Be>が一本15万、スーパーツィーター<UT-045Be>がペアで50万。ここから単純に逆算するとS9800の箱の値段(ネットワーク除く)は1本110万円かかっていることになる。私が同等のものを自作すると仮定してみよう。スーパーツィーターペア50万は高すぎで、FOSTEXの15万程度で質の高い純マグネシウムを使って片chで
- ウーファー1500AL⇒20万
- ミッド435Be⇒15万
- ツィーターT-500AmkⅡ⇒7万
- 箱⇒10万(フィンランドバーチを全て使ってもこれ以下に収まる)
合計52万円なり。あとはネットワークと塗装代になるが全部こみでも1台60万くらいか?ユニットは値引きされて販売されているから1台50万くらいでもいけるかもしれない。これでも長岡先生のスピーカーばかり自作してるものにはとっては異常に高いが、いつかは大真面目にやってみたいな。もちろんこんな綺麗に箱は作れないけど・・・。自作のコストパフォーマンスの凄さが分かりますかな?
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JBL Project K2 S9800SEカタログより特徴
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- アルニコ磁気回路、EPDMフォームラバーエッジ採用の380mm系ウーファー<1500AL>
- 軽量・高剛性・高伝播速度のベリリウムを採用した75mm径コンプレッションドライバー<435Be>、
- 50Khz超のスーパーソニック再生を可能にした25mm径ピュアベリリウムコンプレッションドライバー<045Be>
- バイワイヤリング接続、アクティブバイアンプ駆動可能、
- 3ウエイバスレフ 380mm×1、75mm×1、25mm×1
- クロス 800Hz、10kHz
- 寸法(H×W×D) 1295×508×375
- 90kg