Fostex FE208ESの利用レビュー
Fostex FE208ES大山の評価
FE208ESは2000年に限定発売されたユニットで、長岡先生がお亡くなりになられた年と同じ年に発売されたユニットです。FE208SSの後継機種と考えることもできますが、音質は他のスーパー系ユニット(SやSSが最後につくユニット)とES系ユニットの音質が違うように全く別物と考えたほうが良いかもしれません。E208ESは2002年春ごろに第2弾が後期型としてこれまた限定発売されました。私が入手したのは前期型のユニットです。前期型と後期型の違いはエッジの形状が違い、後期型の方が若干はい上がりになってるとの評判ですが、見た目で判断するのは難しいらしいです。
ペアで定価8万円ほどしたこのユニットはQ0が0.1と超オーバーダンピングの特性を示し、密閉で使うと200hzぐらいから低域だら下がりで、まるで低音が出ないというしろもの(下のカタログ値参照)。完全にバックロードでの利用を前提として設計されているユニットです。10khzぐらいから上がストンと落ちていてツィーターの追加を前提としています。長岡鉄男先生のスピーカーではD-58ESで利用している人が最も多く、次いでF3000ネッシーⅢやスワンタイプのD150モアなどでの利用となるだろう。
FE208ESは非常に高価なユニットであるが、市販の20センチクラスのユニットでここまで音離れが良く、表現力の高いユニットはいくらお金を払っても手にはいるものではない。ユニットは音楽性やバイタリティーを表現する方向ではなく、解像度の高さや広い音場表現、ピンポイントに定位する音像に焦点がある。センチフルレンジという限定された条件の中でフォステクス技術陣がだしたひとつの結論といえるかもしれない。
D58をFE208SSで聴いていてFE208ESに変更する場合。FE208ESはマグネット2枚重ねによる影響で奥行きが深くなり、D58には取り付けることができません(アダプターをつけるなどして奥行きをましてやらないとはいりません)。はじめから作る人はD58ESの設計図をそのまま作れば問題なく利用可能です。
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(オークションでオーディオ製品やFOSTEX限定ユニットを入手する時の注意点)
Fostex FE208ESカタログより特徴及びスペック
- 180mmフェライトを2枚重ねたマルチバイアス方式反発磁気回路
- ESコーン紙採用
- HP振動板採用
- UDRタンジェンタルエッジ