スワンスピーカーの優位性検証2
基本条件+MDFキャビネット+FE108SUPER
スワンスピーカーは非常に優れたスピーカーだ。「何故この奇抜な格好のスピーカーが何故これほどの実力をもっているのか」ーこれを解明することは自作に限らずスピーカーエンクロージャーの進歩に関わる大問題だ。スワンスピーカーは点音源・バックロードの2点だけではどうしても説明できない要素があまりに多いと思う。ここでは長岡鉄男師が述べた、スワンスピーカーの5つの特徴以外の要素を考えてみよう。これは大山の勝手な仮説であり間違えている可能性は十分ある。
ホーンスピーカーはバックロードであれフロントロードであれホーンの開口部分(スワンであればお尻の部分、D-55であれば前のラッパ状になっている部分)の振動が一番激しくなる。これは音量をあげてゆけば自分でもすぐに確認ができることであるし、モーダル解析でもそのようになっているのが証明されている。だからホーンの設計ではホーンの鳴きを押さえるためにホーン開口部分の強度を上げることが必要で、長岡師の後期に発表されたスピーカーは底板を2枚重ねにしたりすることで補強を施している例が非常に多い。
しかしどんなに補強をしてもやはり振動が箱全体に伝わるのは避けることができずそれは当然ユニットの振動板にも伝わり、音質劣化の原因になることは容易想像がつく。スワンスピーカーは配置を見ると、ユニットとホーン開口部が対角線上に配置されホーンの鳴きの振動がユニットから遠く離れているので、ユニットの振動対策と言う意味(10センチユニットからでる中高音)で他のスピーカーに比べ有利なのではないだろうか?D-55系のCW型はかなり補強をしているが、ホーン開口部とユニットが上下に隣接している。事実スワンスピーカーの中高音の美しさは他のCW型より圧倒的に上である(それはもちろん点音源の効果の方が大きいのだろうが。)
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D-101SSuperSwan |