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ホーン型スピーカーとは
ホーン型スピーカー
ホーンとはスピーカユニットの空振りを防ぐためのものと思うと一番理解しやすい。広い空間で大声をだしても声は届きにくいが、メガホンや手をホーン状にして声を出すとより遠くまで明瞭に声が届くのを人は経験上知っているだろう。ホーンスピーカーの原理もそれと全く同じで小さい口径で空振りしてしまう音波を能率よく空間に放射するためにある。
ホーンは再生できる周波数帯域が狭く、振動板のF0付近に制動をかけて音をだす。この方式を「抵抗制御方式」と呼ぶ。
JBLのProject Everest DD6600は巨大4インチダイヤフラムを搭載したホーンスピーカー
ホーンの形状
- コニカルホーン-直円錐形のホーンのこと
- ハイボリックホーンー双曲線ホーンともいう。様々な広がりの断面積をもつホーン。
- エクスポネンシャルホーン-指数ホーンともいう。ホーンのどこをとっても面積の拡大率が同じ。ハイボリックホーンの特殊な形態がエクスポネンシャル。
「ホーン臭い音」とは何か?
設計の悪い、もしくわ作りが悪いホーンのこと。音がこもって「ボーボー」いう。これは設計の悪いバックロードホーンや、作りたてで箱のエージングが完了していないものによく見られる。金属系のフロントホーンの悪いものは「キンキン、カンカン」なる。 これもホーン臭い音だ。バックロードホーンはホーンか?
バックロードホーンはホーンに類似した動作をなすものであるが完全なホーンではなく擬似ホーンなどと呼ばれたりする。バックロードホーンはユニット背面の折り曲げ方式のスピーカー(フォールデッドホーン)が通常であるが、ツィーターのホーンの原理とは異なり計算式も同じものを使うことはできない。仮に 通常のフロントロードホーンの理論で考えて10センチユニットで50hzの音にロードをかけると音道7m、ホーン開口面積畳2枚分となり現実的な大きさではない。そこでホーンを折り曲げるフォールデッドホーンを利用するのだが、そこまで長いとホーンからでる低音とユニットから出る中高音がつながらなくなり実際は大きくてもその半分ぐらいの大きさになる。しかし50hz程度の音であれば20センチバックロードで十分でる。これは何故か?長岡鉄男先生はバックロードホーンを「後面開放、音響迷路、共鳴管、そしてホーンを組み合わせたもの」 と述べられていたが、複雑な動作により低域をかせぐことができると私は考えている。
長岡バックロードD-37の内部構造