PIONEER S-A77TBの視聴・評価

PIONEER S-A77TB視聴後の大山の感想
パイオニアのSシリーズはS-A77TBはEXシリーズの流れを汲みながらそのエントリーモデルとして販売されている。パイオニアは以前からリボンツィーターには力を入れていて、80年代のスピーカーにはかなりリボンツィーターが搭載されていた記憶がありあますが、現在(2008年)のハイエンドモデルは全て同軸2way方式になってしまいました。残るはこちらS-A77TBと単品ユニットでの販売となっているようです。
このS-A77TBの最大の特徴は、パイオニアの主力になっている同軸ユニットでほぼ全ての帯域をカバーし、リボンツィーターを+スーパーツィーターのような形式としているところである。音は確かに高域が分離して定位感が悪化すると感じられるかもしれないが、リボンツィーターのまろやかさと伸びをを存分に発揮している。
このスピーカーも東京目黒にあるパイオニアの視聴室で聞きました。全体的にレンジが広いが特に広域はS-1EXよりか延びていると感じられた。実際カタログ上でも120khzまで伸、カタログ上はTAD REFERENCE1より数値は上である。エンクロージャーはABDテクノロジーという、エンクロージャー内部の不要定在波を抑える技術を搭載していて、フロントについている変わった形のバスレフポートがそれを表している。
S-A77TBの音は上から下までバランスよく躍動感に富みアクセントや抑揚感もしっかり表現しきれる実力を持つ。特に抜けの良いダンピングの効いた低域はパイオニアのほぼ全ての商品に渡り一貫しており、このスピーカーも素晴しい。最高域まで延びるリボンツィーターはピッコロやシンバルの立ち上がりから立下りまで存分に鳴らしきってくれる。女性ボーカルの音像は若干大きめ。最低域は若干落ちるが、99%のオーケストラのソースはFレンジで不満はでないだろう。S-A77TBは値段と内容を考えるとパイオニアスピーカーの中で大山一押しのスピーカーだ。抜群のコストパフォーマンスを持っているといえる。
パイオニア S-A77TBカタログより特徴
- 型式:位相反転式トールボーイフロア型、防磁設計
- ピーカー構成:3ウェイ+スーパートゥイーター方式 ウーファー:16cmコーン型×2 ミッド/トゥイーター:同軸13cmコーン型/3cmドーム型 スーパートゥイーター:リボン型
- インピーダンス:6Ω
- 再生周波数帯域:35Hz~120,000Hz
- 出力音圧レベル:89dB/W(1m)
- 最大入力:160W(JEITA)
- クロスオーバー周波数:300Hz、3,000Hz、40,000Hz
- 外形寸法:274(W)×1075(H)×366(D)mm
- 質量:37kg(1本)
- 付属品:スパイク×4、スパイク受け×4、メタルフット×4、メタルフット用クッション×4