TAD R-1の視聴・評価

PIONEER TAD REFERENCE1視聴後の大山の感想
パイオニアのTAD REFERENCE1は2003年に発売されたTAD初の一般コンシュマー向けスピーカーTADM1の後継機種として2007年に発売された超ハイエンドスピーカー。ペアで600万円超えするスピーカーは国内メーカーのハイエンドの中でも最高に位置する。
TADとは本来スタジオのモニタースピーカーを作り続けていてプロユースの間では知れ渡っている、パイオニアのプロ商品部門。2003年に登場したTADM1が発売した頃から一般に大きくTADの名前を宣伝するようになりました。というか、このモニター用超ハイエンド⇒一般ユースとういう流れをつくることで、ミドルクラスの製品の信頼を得るという方法はJBLやB&Wなどの海外メーカーでは当たり前となっており、そういった戦略的価値を持つ商品といえるのだろう。つまりメーカーの狙いはこのペア600万のREFERENCE1を売ることではなくて、下のモデル(パイオニアであればS-1EX、2EX、3EXがそれにあたる)を販売することが目的なのだと思う。
パイオニアの REFERENCE1及びその下位の機種にあたるスピーカー(S-1EX、2EX、3EX)は構成がとことん似ている。ウーファー+同軸2wayユニット1発。このハイエンドクラスにもかかわらずスーパーツィーターがない。メーカーの説明は100khzまで伸びているとあるが、実際高域のレンジよりか定位を重視しているのは他のハイエンド機種に比べても明らかだし、他のハイエンド機種に比べて高域は割りと抑え気味に感じる。
ベリリウムをこのミッドとツィーターの同軸ユニットに使っているが、さすが癖がほとんど感じられずいパーフェクトな鳴りかたであるが、能率はさほど高くなくアンプのパワーで駆動するタイプ。250hz~100khzまで、つまり中域から最高域までをひとつのユニットからだしているため定位感を素晴しい。しかしひとつだけ思うのは、このユニットはバッフルが大きすぎるために定位感が悪化していると思うのだ。せっかくユニットを同軸にして、さらにはリニアフェイズにして位相を合わせているのだから、B&Wの800やスワンスピーカーのようにバッフルも点音源に近づける工夫をして欲しかった。
ウーファーに関しては25センチ×2。この大きさ程度がウーファーの振動板の重さの限界なのだろう。パイオニア以外のハイエンドでも現在はこの形式が最も多い。振動板には発泡アクリルイミドをコアにアラミドファイバーでサンドイッチにしたの三層ラミネート構造による「TLCC(Tri-Laminate Composite Cone)振動板」を採用。マグネットはネオジウム。低域のメリハリは他のパイオニア製品に共通するがきれがあり、もたっとすることが全く感じられない。ただウーファーが25センチ×2がいいのか、18センチ×2がいいのかは好みの問題で双方ともメリット・デメリットがあるから話は単純ではない(私は18センチがいい)。
箱はバーチ(樺)の合板を前面的に採用。確かTADM1ではバーチを輪切りにしてそれを積み重ねるというとんでもなく手間のかかることをしていたが、今回のREFERENCE1では曲げ合板を採用している。モニター系スピーカーだけに箱を鳴らす設計ではないが、やはり大音量時の箱の響きを考えて最良の材を箱に選んでいるのは嬉しい。
このREFERENCE1はオーディオイベントで何度か耳にしました。中高域の定位かんのよさと、傾斜されたバッフルによる時間特性重視のスピーカーはまさに現代モニタースピーカーの最高に位置するスピーカーと呼べる。全体的な傾向はきらびやかさではなく荘厳でかつもたつかない低域にあり、分解能力、解像能力も極めて高い。
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パイオニア TAD REFERENCE1カタログより特徴
- 位相反転式フロア型、
- スピーカー構成:3ウェイ方式 ウーファー:25 cm コーン型 × 2 ミッド/トゥイーター:同軸16 cm コーン型 / 3.5 cm ドーム型
- 再生周波数帯域:21 Hz ~ 100 kHz
- クロスオーバー周波数:250 Hz、2 kHz
- 出力音圧レベル:90 dB (2.83 V、1 m 自由空間)
- 最大出力音圧レベル:115 dB
- 適合アンプ出力:50 W ~ 300 W
- 公称インピーダンス:4 Ω(minimum 4.1 Ω)
- ユニット極性:低域(+)、中域(+)、高域(+)
- 外形寸法:554 mm (W) × 1293 mm (H) × 698 mm(D)
- 質量:150 kg
- 付属品: 丸型スパイク×3、コーン型スパイク×3、短絡コード×2、六角レンチ(開梱用) クリーニングクロス、オーナーズマニュアル(英語版、日本語翻訳版)、 保証書、ウーファー保護カバー、開梱説明書(外装箱に貼付)