B&W 705の視聴・評価
B&W 705カタログより特徴
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- フリーマウント・ノーチラストゥィーター
- バランスドライブ方式ケプラーコーンバス/ミッドレンジ
- 2ウエイバスレフ(165mm×1、25mm×1)
- クロス3.7khz
- 寸法(H×W×D) 421mm×222mm×319mm
- 9.5kg
B&W 705視聴後の大山の評価
CDM-1NTの系譜は700シリーズとなった。様々な改良がなされているようだが、視聴して思ったのはまずノーチラスツィーターの大幅な向上だろう。この金属系ドームツィーターはかなりのピーキーさがありエージングに時間がかかると一部で不評であった。しかし、今回視聴時は明らかにキラキラ感は減ってきているのが分かる。
箱のクオリティーについて。700シリーズは下位のCMシリーズに比べ質の高い突き板を使っている(CMシリーズは突き板ではないと思われる。)突き板の種類はブラックアッシュ、ローズナット、ウォールナット、チェリー、メープルの5種類から選べる。全て広葉樹系の高級の堅木でありそれだけでエンクロージャーが作れる高級素材であるが、薄さ1mm程度の突き板レベルで音にそれほど大きな影響はないと考える。しかし、メープルは高域にピーキーさを持つことがあり好き嫌いが分かれるところなので、メープルを選択する場合はよく視聴してから決めたほうが良い。
B&Wのスピーカー作りは哲学が一致していて各シリーズによって極端に音の傾向が違うということが少ないが、2wayの705と805SさらにCM1などの商品と、それ以外の3wayのものと比べてかなり味付けが異なる。これは他のスピーカーでも当然当てはまるが2wayはクロストークが少なく定位が良いが、低域は犠牲になる。3wayはその逆。2wayがボーカルに良いというのはそのあたりからきている。
視聴したソースはジョンレノンのCDとチャイコフスキーのバイオリン協奏曲で行ったが、2wayの強さを生かしたボーカルの定位のよさは703、704を完全に上回る実力。ただしFST搭載の705に弦の表現力・繊細さでは勝てないが。
CDM1NTなどは(現705)B&Wシリーズで最もコストパフォーマンスの高い機種といわれていた。確かにこの価格でこれだけの実力をもったモニター系スピーカーはほとんどないし、自作で作るのも難しい。コストパフォーマンスの高いCMシリーズがでてきてこの700シリーズは若干影が薄くなってきたイメージもある。しかし、この705は別でCM1と共存してゆくと思う。むしろ704、705のほうが心配だ。