9、補足・近年はバーチ(樺)ブーム?
近年は自作スピーカーに限らず市販スピーカーの間でもバーチが一種のブームのようだ。
ペア600万円!!パイオニアのTAD REFERENCE ONE
このブームの火付け役は長岡鉄男氏のF-3000ネッシーⅢのような気がするが、それより以前からバーチはスピーカーエンクロージャーの材としてこんなにメジャーだったのだろうか?
市販スピーカーの低価格のものはほとんどがファイバーボード(MDF・パーチクルボード・ハードボード)と呼ばれる木材を一度粉にしたものを接着材で凝固させるものが大半を占めるが、一部の超高級スピーカーには無垢材や無垢材を使った合板が多く使用されています。しかし実際にカタログなどを見ると上記のファイバーボードと無垢材を使った合板をミックスして響きの調整をしているようです。概して音楽性の豊かなスピーカー(楽器的なスピーカー)ほど高級な材を投入し、いわゆるモニター系と呼ばれるスピーカー(機械的スピーカー)ほど重いファイバーボードでキャビネットをがちがちにかためる傾向があるようです。(しかし、近ごろ発売されたパイオニアのTAD
Reference Oneなどは「キャビネットの無共振化」を目標としているモニター系でもあるので一概には言えないが・・・)
一例として挙げると
タンノイCantervury⇒ウォールナット無垢 (ペア210万)
タンノイyorkminster⇒バーチ合板(ペア179万円)
アルテックA7⇒カナダ松
TAD Reference One⇒バーチ合板とMDF(ペア600万円)
私の手元にある資料をもとに超高級スピーカーにつかわれている材を並べてみました(これは私のテーマでもありますので一度整理した形でまとめたいです。)ここに書かれたスピーカーは内部の使った材の状況を詳しくは公開していないから、どのくらいの比率で材が使われているかは定かではありません。スピーカーがこれほど高価なのにはエンクロージャーの材に高価なものを利用しているだけではもちろんないのでしょうがその一因ではあることは確かでしょう。自作スピーカーのメリットの一つとはこれらのスピーカーのウン10分の一、否ウン100分の1の値段で同様のエンクロージャーの材が使えてしまうことではないだろうか?