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7、バックロードホーンは楽器系か?
私はホーンスピーカー(バックロード、フロントロード)は共に「楽器系」の要素を多く持つスピーカーになるのではないかと思っていた。
これはタンノイを聞いても、JBLの金属系のホーンを聞いても、木工系のフロントロードホーン、長岡鉄男のバックロードを聞いてきて長年そう思ってきたのだが、それを非常に分かりやすいことばで解説している文章があったのでここに引用させていただきます。
「(中略)従って、スピーカーから数m離れた点で聞くときには、キャビネットの放射音の音圧レベルとスピーカーの直接音の音圧レベルの差は近い場合よりももっと縮まる。両者のひらきはキャビネットの表面積が大きいほど著しい。キャビネットの放射音が、板全体からでるいわゆる面音源になっていることによると考えてよい。(中島平太郎:スピーカー、赤字著者)」
非常に的をついた表現で納得させられる。つまりバックロードホーンはおそらく考えうるスピーカーシステムの中で最もエンクロージャーの表面積が大きいので、(大きさが同じであれば通常のバスレフの2倍ほどはあるのではないか)、それらが通常のスピーカーより多く残響音に影響し、通常では考えられない弦楽器の生々しい響きをエンクロージャー自体が生むと考えられるわけだ。バックロードホーンを作る人が、エンクロージャーの材質に強いこだわりをもつのもそこから考えると当然の帰結ともいえる。