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5、キャビネットを完全無共振にしたら
理想は達成されるのか
スピーカーエンクロージャーの共振を完全に達成することはできないとしても、極限的にもしくわ、人間の耳にはほとんど分からないレベルにまでキャビネットの共振をなくしていったらどうなるのだろうか(機械系スピーカー)?
現在のスピーカーのエンクロージャーの基本は、この箱の響きを極力少なくするというのが一つの理想のようなかたちになっている。近年は原音再生という考えが見直されてきているので、昔ほどではないが・・・。ゆえに高級なスピーカーになればなるほど板厚が大きく、重量が重くなる傾向がある。これは1つにはこの共振の問題を解決するためにそうしているのである。板厚が厚くなるほど板固有の共振周波数を耳につきにくいところにもってゆくことができるからだ。
しかし、キャビネットの響きを完全になくすことは現実的にできないとしても、もしそれが達成されたとしたらそれは最高のスピーカーになるのだろうか?私は絶対にならないと思う。現に今でも完全無共振を謳っている市販スピーカーメーカーはたくさんあるが、それらの音が必ずしもよくないからだ。これは個人の好みの問題だが、、、残響音の全くないハイスピード・解像度抜になる反面、ユニットだけのあたたかみがなく・聞き疲れする音になるように私には感じる。現にTANNNOY、JBL、B&Wのフラッグシップモデルは必ずといっていいほど箱の響きの要素を設計に組み込んでいる。