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合板の選び方
長岡鉄男先生の自作スピーカーはカットしてもらった木材をいも付けによりボンドで接着します。まずはどの木材を買うか選ばなければなりません。木材と一口にいっても、無垢材・集成材・合板などさまざまで基本的にどの木材でもスピーカーの材料として使うことが可能です。
ここでは長岡師も最もよく利用した”合板”を使うことにします。それではどのような合板がスピーカー工作に使われるのでしょうか?合板自体も種類が非常に多いのですが、ホームセンターなどで入手可能なものそして、スピーカー工作に好まれて使われるものとなるとそれほど種類は多くはありません。
種類 | 値段 | 特徴 |
ラワン合板 | ★★ | ラワン自体種類が多く、大別すると赤ラワンと白ラワンに分けられる。赤ラワンのほうが比重が重い。ホームセンターで見かけるのは”白ラワン”が多い。表面の見栄えはあまりよくないが塗装を施すとそこそこ味がでる。近年は値段が上がってきている。 |
シナ合板 | ★★★ | ラワン合板の表面に薄いシナのツキ板を張った合板。見栄えを除いては(音への影響では)ラワン合板とほぼ同じと考えてよい。表面は白色で美しい。クリヤーのウレタン塗装などがよく合う。最も入手しやすく一般的な材。 |
シナ共芯合板 | ★★★★ | 表面のツキ板も中の積層部分も全てシナで作られた合板。シナはラワンよりか比重が軽いため、音質は芯のないソフトな音になる可能性がある。ただ、積層部分(木口部分)は上のシナ合板に比べ美しい。 |
MDF | ★★ | 木を砕いた粉々にしたものを固めたもの。比重は重い。市販スピーカーのほとんどは特注のMDFを使用している。ホームセンターで簡単に入手できる。木自体の響きは単調だが、箱の響きを付加したくない場合は利用価値がある。材により比重にばらつきはあるがラワンに比べるとはるかに品質は均一である。 |
ランバーコア合板 | ★★ | ランバーコア合板は中に木片をつめて作られた合板。シナランバーであれば表面にシナのツキ板が、ラワンランバーであればラワンのツキ板が表面にはってある。一般的な家具作りにはほとんどこれが用いられ、私も仕事で毎日利用している。比重が軽くスピーカーエンクロージャー向けにはそれほど適しているとはいい難い。 |
シナアピトン合板 | ★★★★★ | シナアピトン合板は心材にアピトンを表面にシナの突き板に張り合わせたもの。比重が重く、積層部分が美しいことから大変人気がある。しかし、値段もフィンランドバーチと並んで非常に高価。 |
フィンランドバーチ合板 | ★★★★★ | 長岡師のネッシーに使われていたからか人気が非常にあるが、値段もシナの2倍近い値段。積層枚数(プライと言う)がラワンに比べて多く積層部分が非常に美しいのが特徴。高音の響きが美しい。 |