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2009年10月25日配信号
Z1000発表まであと2週間ぐらいにせまり
ました。
■長岡式バックロードホーンを4つに分類すると■
バックロードホーン型スピーカーは、
スピーカーユニットの背面に迷路の
ような構造を作って、低域をとりだします。
バックロードホーン型スピーカーの
設計の良し・悪しはこの低域を十分に確保
できるかにまずはかかっています。
しかしバックロードホーンはバスレフ型のよう
に設計理論がはっきりしないので、手探りで
設計するしかないんですね。
私は長岡鉄男先生のバックロードをオリジナルの
まま有名どころを多数製作して、オリジナルの試作
もけっこう作ってきました。
その結果、完璧ではありませんが
おぼろげながらどのような構造に板を配置するのが
最も能率的に低域を取り出せるかが少しずつ分かってきました。
大山流に長岡バックロードを板の設置、折り返し方法で
4つに分類してみました。
①スワン型、D10型
同じ長さの直管を360度で折り返して、
ホーンを構成するタイプ。折り返し角度は全て360度
②D37、D58型
長さの違う管を90度と360度の2種類で折り返して
ホーンを構成するタイプ。晩年のものに最も多い。
③D7型
板を直管ではなく斜めに配置した
コニカル形状のバックロード。初期のものに多い
④スパイラルホーン型
全ての長さが違う管を中心から90度でぐるぐる折り返すタイプ。
単純に言ってしまうと、
①>②>③>④の順番に低域の量感を得やすいと思う。
(逆に癖も①>②>③>④と強くでる。)
ホーンというのは本来曲線であるべき
なんだろうけど、実際は直菅を使わないと低域がでにくい
ことを私は多く経験しました。
ということはバックロードホーンという
名前はついているけど、実際はホーンの動作より、
管の動作のが強いのかもしれません。
①-同じ長さの管を360度で単純に折り返すパターンの
バックロードが最も低域を出しやすいのですが、
これが最も単純な共鳴管に近いからかな?
④のスパイラル形状のホーンというのは
直管構成だけれど、構造はエクスポネンシャルに
近く、低域は確保しにくい。
これは長岡先生のこの本
http://z1000.biz/idcount/data/35.html
のスパイラル形状のスピーカーの部分のスペアナグラフを
ぱらぱら眺めながら他のspと比較すれば分かると思います。
②と③は、①と④の中間にあたります。
一般的にバックロードホーンというと
いかにエクスポネンシャルカーブに近づけるかという
ことを考えると思うのですが、
私がやってきた限りでは、板の配置を斜めにしたり
曲面にしたりするより、「直菅(直方体の管)」にするほうが低域を
容易に引き出して、特性をフラットにもってゆけるのが
分かりました。
もちろん今書いたことはFOSTEXの限定ユニットの
ように「低域がでにくいオーバーダンピングユニット
を使った場合」に限られます。
大山が近日発売する
Z1000の基本構造は①の最も低域がでるタイプです。
構造自体はいたってシンプルですが、
このスワン型の複雑な形状をトールボーイ
スタイルで実現するのは本当に大変でした。
そして40hzまでの低域を出し、スワンの癖を
とるためにいろんな技術を投入しました。
その技術はZ1000発表時に・・・。
■Z1000のデザイン■
Z1000のデザインを当初は
2段セパレート型を想定していたのですが、
どうしてもデザイン的にバランスがとれないので
最もシンプルなストレートタイプのバックロードに戻しました。
この形式で内部をスワン型のようにホーンを
双方向に広がる構造を作るのに苦労しましたが
完成しました。
内部の構造は99%同じなので、
聴感上もスペアナ上もほとんど同じにでてきてくれました。
外見はシンプルですが中身はこってます。
こんな感じになりました。
http://z1000.biz/idcount/data/36.html
■Z1000を聴いてもらう■
大山が開発中のZ1000を自作ファンの友人(というか
大先輩)の家にもって行って聴いてもらいました。
自分の家と、他人の家で聴いたものが
これだけ印象が変わるのかと改めて「部屋」の大切
さを痛感しました。
今までは自分の部屋にあわせて好きなスピーカーを
作っていればよかったけど、これから販売していくには
やはり不特定多数の部屋をスピーカーの設計にとりいれて
いかなければなりませんね。
小玉さんには新デザインのものを、鈴木さんと
石田さんには旧デザインのものを聞いてもらいました。
大先輩の皆様、貴重なお時間を割いて
私のスピーカーを聴いていただきありがとうございました。
大先輩のレビューはこちら
●手作りスピーカー研究会の小玉さんのサイト●
http://z1000.biz/idcount/data/37.html
●MCAP型の鈴木さんのサイト●
http://z1000.biz/idcount/data/38.html
(2009年10月12日の日記)
●ブログハイエンド自作スピーカーの石田さんのサイト●
http://z1000.biz/idcount/data/39.html
■編集後記■
会社を退職してから2ヶ月が経ちました。
最初の一月は工房の整備で終わり、
次の月はZ1000用のサイト構築と、Z1000の
本制作で終わりそうです。
来月の頭にZ1000用に作ったサイトを
オープンして、音工房Zを発進になります。
当初の商品はZ1000だけになりますが、
あとはオーダーメイドでの製作のお仕事を
してゆければと願っております。
またメールしますね。