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2009年7月2日配信号
カッターで指をぐっさり切って
しまった大山です。
■PCを使ったオーディオ測定の盲点■
PCを使ったオーディオ測定が
うまくいかず悩んでいました。
測定したいのはスピーカーの
周波数特性なのですが、
何をどうやっても低域が早く
落ちた特性で表示されてしまう。
私のサイトに載せている特性を見た
手作りスピーカー研究会のko球さんが
「大山さんのスワン低域の落ちが
やけに早くない?」と教えてくれたのが
きっかけでした。
そこで多くのオーディオファンから
高い評価を得ている測定器PAA3という機種
http://www.diyloudspeakers.jp/idaf/data/641.html
を購入しようと思ってネットを探し
ましたが、日本では現在販売代理店が
ないらしく購入できない。
そこでジャズ&オーディオ通信という
ブログをアメリカで運営されていらっしゃっる
方が日本で手に入らない機種の個人輸入の
代行サービスをされてるのを知り
そこで、個人輸入をしてもらいました。
PAA3を買いたい方は今でも
jazzaudiofan氏に頼んで、
所定の手数料を払えば個人輸入に応じて
もらえると思います。
http://www.diyloudspeakers.jp/idaf/data/642.html
PAA3はハンディタイプの測定器で
大変便利なのですが、やはり測定
したものを大量に保存しておくには直接PCで測定
できるほうが一つ手間が省けて楽なのです。
このPAA3から出力される測定結果と
PCから出力される測定結果が異なり
すーっと悩み続けましたがついに原因が判明しました。
結論を先に言うと
「マイク」が悪さをしていました。
PCで測定する場合
●マイク
●マイクプリアンプ
●ファンタム電源
●pcサウンドカード(ADコンバーター)
●pcに入れる測定ソフト
●pc自体
と複数の項目を信号が通るため一体
どこに原因があるのかなかなか
分からないものです。
仕方がないので、
項目ごとに同じもの(異なるもの)を2つ用意して
それぞれ測定。結果が大きく異なればその機種が原因。という
地道な方法で、どこが悪さしているのかをしらみつぶしに
していったのであります。
全て2つ以上買っていって
試していき、最後にマイクを2本用意
して試したら、一本のマイクが不良なのが
判明しました。
利用しているマイクはべリンガーのECM8000。
オーディオ測定で使うコンデンサ型マイク
の定番ですね。
こいつが壊れていたのか、自分が壊したのか、
途中で精度が悪化したのか分かりませんが、
とにかく原因でした。
べリンガーのECM8000をもう一つ買って測定
しなおしたところ、PAA3で出る結果とほぼ
同じF特が得られやっとpcでまともな
測定ができるようになったわけです。
測定は一つの機械だけだとそれが本当に
正しいのか判断がつきにくいので、全く別ルート
で動く機械を2台用意して、それらが同じ測定結果を示せば
一応正しいと判断がつくと思います。
そういう意味でPAA3のような機械はほんとに
役に立ちます。
ところで
このべリンガーのECM8000はコンデンサー型
マイクにしては激安の6000円ぐらいで買えるので
ほとんどの人がこれを選ぶのですが、
ネットで評判を調べてみるとやはり、
個体で動作に差があったり、
長く使うと特性に変化がでたりと
いろいろ問題が多いことも分かりました。
以下のリンクはサウンドハウスというオーディオの測定
器なんかを販売しているサイトのECM8000利用者の
レビューです。
http://www.soundhouse.co.jp/shop/ProductDetail.asp?Item=181^ECM8000
人によってはECM8000を10本
買って精度のよいものを使うなんて書いて
いる人もいますね。
超激安のものなので文句は言えないですが、
やはり測定に使うものなのでばらつきの少ないものを
使いたいところです。
測定用のコンデンサーマイクで手ごろな価格帯
で精度が良いものをご存知の方いらっしゃたら
是非教えてください!!
素晴しい情報はメルマガで皆さんとも
シェアしたいと思います。
これからPCで測定を始める人に
最も安価にできるお勧めのセット
(定番ですが・・)
を一応書いておきます。
(1)マイク
(2)マイクアンプ+ファンタム電源
(3)PCサウンドカード
PCで最低限の測定をする上で
この3つはどうしても買わざるを得ないでしょう。
(1)のオススメは先ほどまで話題に上がった、ベリンガーの
ECM8000。これ以外のコンデンサー型マイクはべらぼうに
高い。ただ先ほども述べたように問題もある
のでできれば2本用意しておくのが理想。
(2)はコンデンサー型マイクを
駆動するのに必要なもの。
オススメはベリンガーのTUBE ULTRAGAIN MIC100.
最低限の機能だが測定にはこれで十分。確か6000円ぐらい。
(3)は何個が試したが、PC内臓のサウンドカード
以外であればそれほど大きな差はでませんでした。
ちなみに私が使っているのはcreativeのsound blaster X-fi。
確か2万ぐらいだったと思う。説明書が貧弱なのが弱点。
PCにいれる測定ソフトはいろいろありますが、私が調べたところ
これまた測定結果は大きな差は出ませんでした。使い
やすいものを利用すればよいと思います。
超定番はフリーソフトは「My Speaker」。
http://www.diyloudspeakers.jp/idaf/data/644.html
有料版もありますが、フリーでもかなり使えます。
スピーカーの測定に関して基本からしっかり
学びたい方は新井悠一先生の
「高品位スピーカーシステム」を
ご一読ください。PCを使ったスピーカー測定に
ついてこれより優れた本はまずあり得ない思います。
http://www.diyloudspeakers.jp/idaf/data/645.html
■編集後記■
中古の大型木工機械250万円。
と前回の編集後記に書いたところ2人の方が
「250万でどんな機械が買えるのですか?」
という同じ質問を頂きました。
自作ファンの方はこういうのも興味あるんすね。(笑)
びっくりしました。ではお答えします。
昇降盤
横切り丸鋸
フラッシュプレス
パネルソー
手押し鉋
自動鉋
ボール盤
ベルトサンダー
コンプレッサー
集塵機
これを中古で全部買うとだいたい250万ぐらいとのこと。
機械の形が分からない人は、私のサイトのここ
http://www.diyloudspeakers.jp/idaf/data/646.html
で確認してみてください。
大山が欲しいのはその半分ぐらいで
なんとか150万ぐらいに抑えたいと
思っています。
木工で独立したい人はこれぐらいの
費用があれば機械だけはとりあえず買えるということです。
「ラーメン屋」や「美容院」を開店する初期費用より
かは安いかもしれませんね。(笑)
工房設立まであと3ヶ月ほどになりましたが、
準備は着々と進んでおります。
最終的な形はやりながら試行錯誤の連続に
なると思いますが、
当初は値段的にちょっと高めの一品ものの
オーダー品と、普及価格帯のスピーカーの
完成品や合板(自作用)などを販売してゆきたいと
思っています。
かなり面白いものを出せると思いますので
期待してお待ちくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
次回をお楽しみに。