108万円の音をGETするメルマガ
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2008年8月2日配信号
クーラーつけっぱなしで寝ていつも腹を壊している大山です。
暑い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
スピーカー追求道メルマガ第6号のメニューです。
━━発行第6号[目次]━━2008/8/2発行━━━━━━━●○
【 大山の自作SP道場 】FE138ES-R専用ボックスの設計
【 オーディオコラム 】長岡鉄男が真に教祖になる日
【 聞け!長岡鉄男の声】低域の吸音
【 編集後記 】賃貸のリスニングルーム構築
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【大山の自作SP道場】FE138ES-R専用ボックスの設計
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FE138ES-Rを搭載したスピーカーの設計。
構想は実は発売当初からあったのですが、今回は
この構想の一部を暴露しようと思います。
何故ここまで
時間がかかったのかと言うとターキーに対抗する何か
を打ち出したかったわけですが、それが今回かなりはっきり
したからです。
まずマニアの方には常識的な事柄のおさらい。
FE138ES-Rは昨年に限定発売されたFOSTEX初の口径となる
13センチ限定フルレンジユニット。低域がだら下がり
のオーバーダンピング型ユニットでバックロードホーン
型スピーカーでの利用を前提として設計されたユニットです。
FE138ES-R用のスピーカーboxは長岡鉄男先生の設計した
SPでは全く参考になるものがなく、完全に独自設計でいくか、
FOSTEXがリファレンス用にだしたターキーの設計を真似る
かという2パターンに大きく分かれます。
独自設計といってもやはり長岡鉄男先生のバックロードホーン
の公式を参考にするのが一般的になるので
ターキーの設計を長岡鉄男先生の有名どころのスピーカー
と比較して分析してみよう。
長岡鉄男先生設計の有名どころでは10センチのスピーカー
スーパースワンと16センチスピーカーのD37というスピーカーを
設計しています。ターキーの設計をこの2つのスピーカーと比較
するにあたりまずはターキーの音道のデータを摘出してみました。
以下クリック。
http://www.diyloudspeakers.jp/idaf/data/95.html
さらにD101S(10センチ)とD37(16センチ)とターキー(13センチ)
を比較した音道構造グラフを見てください。以下クリック
http://www.diyloudspeakers.jp/idaf/data/96.html
バックロード設計で最重要項目である、空気室
スロート絞り率、音道の長さは恐ろしく長岡バッ
クロードの公式をそのまま借用しているし、
音道の広がり方もちょうどSスワンとD37の中間
地点を取っているのが理解できる。
つまりターキーはほとんど長岡バックロード
の公式をそのまま使って設計されたことが分かる。
実際FE138ES-Rの説明書にもそのようなことが書かれて
いる。
しかし音はいまいち、どうもしっくりこない。
ここで私が感じたターキーの弱点を挙げてみよう。
1、スーパースワンのように音が前へでてこない。
音が若干引っ込みぎみに感じる。
2、スワン系スピーカーで最重要項目である中低域
はよいが、低域のスピード感がいまいち。パイプ音
的な癖も感じる
3、低域の量感が少ない
4、中域と高域のつながり、つまり紙のユニットと
マグネシウムセンターキャップのつながりの違和感
をなんとかしたい。
ーー上の項目の説明ーー
1、ターキーは取り説を見るとかなり吸音材を使っているが
それが裏目にでている可能性がある。この辺はCUT&TRY
で調整しようと思う。もちろんユニット自体の問題
の可能性もある。
2、は低域の問題。スピード感は10センチユニット
より劣るのは仕方ない部分もあるが、迷路構造を抜けの
よいものにすることや、若干のFoQシートなどの利用をかんがえて
いる。
3、低域の問題。ここはスロートをもう少し絞って
ホーンロードをかける。ただあまりかけ過ぎると中域
と重なるからここは試作モデルとしてはスロートを可変
できるようにしてベストの位置を探るのが良いと思う。
さらに音道はもう少し長くなる。
4、これはほとんどがユニットの問題になるから箱での改善は
正直難しい。箱の材質、特にユニットと接する部分のヘッド
部に使う木材を変えることで全体のバランスをシフトすること
を狙うしかないのかもしれない。もしくは厚めのフロント
グリルなども候補にはいる。
つまりFE138ES-Rをバックロードで使う場合長岡鉄男先生
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の公式をそのまま使うことはできないのではないか?
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これが私の達した結論です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今回の私が設計で取った手法はターキーの弱点を補う
という程度のものではなく、FE138ES-Rの実力を
活かすにはどうすればいいかというのをもとに
設計の計画が進んでいます。
しかし、FE138ES-Rは裸での視聴やターキーの視聴を
何度か行って思いましたが、「かなり難しい、手こずる
ユニットである」と正直思っています。
(私がいう難しいとはバックロードで使った場合という意味
です。)
もしかしたらどんなにがんばっても納得のいくものは
できないのかもしれませんし、下手したらターキー以下
になるかもしれません。しかしこれ以上悩んでいても仕方
がないので、そろそろ行動に移したいと思います。
試作バージョンとしてMDFもしくはコンパネで、
ヘッド+スロートと本体を分離して音の調整
をしていきたいと思います。箱の形は奇をてらった
ものではなくスワン形もしくはD37系のシンプルな
形で挑戦します。
なんとか8月中に完成させるのが目標です。
乞うご期待。
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【オーディオコラム】長岡鉄男が真に神になる日
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私は長岡鉄男先生に会ったことがない。
私が長岡先生を知るのは長岡先生の書物とスピーカー
の設計図を通してだけ。あとは長岡先生を知る人から
聞く長岡鉄男像のみ。
自作スピーカーのホームページを持ってから日本
で自作をやっている多くの有名な方と多く知り合うこ
とができるようになりました。そのほとんどの方は間違
いなく長岡先生に会っているし、方舟に何度も訪問している方もいる。
ほんとうに羨ましい。というか何故あと数年早くこの趣味に巡り
会って長岡先生と会っておくことができなかったのかと
思うと本当に悔しい。
長岡鉄男先生のスピーカーを愛している人々を長岡教という
らしい。教祖が本当の教祖になるのは、教祖が死んでから
というパターンが極めて多い。キリスト教が本格的に普及したのは
キリストの死後600年後に生まれたパウロの影響が一番大きい
と言われているし、尾崎豊が「ティーンの神」と仰がれるように
なったのも彼の死後であった。
長岡鉄男を真の教祖に祭りあげることができるのは実物の
長岡鉄男を知らない新しい世代の人間の仕事
になるのではないか。長岡鉄男が真に神になる日ーそれは
長岡鉄男を知らない狂信的なスピーカービルダーの登場に
よってではないか?
(またしても意味不明なコラムでした。)
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【聞け長岡鉄男の声(第五話)】低域の吸音
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前回は消えた音は最終的に熱になるという話をしました。
そしてグラスウールなどが一般的に使われる吸音材
であるが、低域は吸音できないことを書きました
今回は吸音の中でも最も厄介な低域の吸音のお話をしたいと
思います。出展は同じくステレオの実際知識です。
「★」は長岡先生の引用部分です。
「★では低音専用の吸音材はあるのか、もちろんある。
背後に空間をもったヘナヘナのベニヤ板や、パンチング
ボードがそれである。」
これを詳しく解説するために長岡先生はスピーカーボックス
が吸音材として働く理由を説明する。
「★全然使っていないスピーカーシステムがあったとする。
このスピーカーは立派な吸音材である。(中略)このスピ
ーカーのコーン紙は、高音は簡単に跳ね返してしまう。中音も
かなりよくはねかえす。しかし、低音はてごわい。低音はコーン
紙を前後にゆさぶり、これに応じてボックス内の気圧は上がっ
たり下がったりする。この気圧変化はボックス内の空気の乱れ
や、吸音材の振動として変わり吸音効果が発揮される」
要は吸音材が音⇒熱と変わる仕組みは高音も低音も同じで、
別の物体を振動させて熱エネルギーに素早く換えること。
グラスウールの場合は中高域を繊維が振動して熱に変わる。使われて
いないスピーカーの場合は低域がエッジやダンパーが振動して
熱エネルギーに変わる。ご理解いただけましたでしょうか?
「★ところで、一般のリスニングルームでは、スピーカー
を吸音材に使うというようなことはできない。そこで、
それと似たような効果を持つ壁面や天井を考える。例えば
図1.25のように遮音材で作られた壁から10~20cm離して
薄いベニヤを張り、その中間に吸音材を入れると、図1.24
と同じ条件になる。ベニヤ板がコーン紙に相当するわけで、
音波を受ける面積はずっと広くなるから吸音効果も大きい。
低域の吸音は非常に大掛かりになる上、一般家庭
では100%吸音するのは不可能です。では何故マニアはここ
まで低域の吸音にこだわるのかは次回触れたいと思います。
ステレオの実際知識はこちら↓
http://www.diyloudspeakers.jp/idaf/data/97.html
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【編集後記】賃貸のリスニングルーム構築
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暑い日が続きますね。関東地方は6月まで真夏日がほとんど
全くなく、7月になってからどどっと暑くなりました。
私は今年の4月に東京から埼玉県に引っ越しまして
現在部屋が2つある2Kというマンションを借りています。
一つの部屋を完全にリスニングルームにしようと思って
借りたので、極力床や壁がしっかりしている部屋で
隣や上の階に音が響かない部屋を選びました。
オーディオ好きな方は家を建てるときにリスニングルームを
作りますが、私のような貧乏マニアは賃貸でリスニングルー
むを構築しなければなりません。
ここで賃貸をオーディオリスニングルームにするときの
部屋選びアドバイス
(1)絶対に鉄筋コンクリート作り(RC)の部屋を選ぶ
これは絶対条件。木造や鉄骨はダメです。
低音はおろか高音ですら下の階、上の階にがんがんもれます。
(2)隣、上下の隣接の少ない部屋を選ぶ。
大きい音を出すわけですから、極力隣接が少ないのがベスト
です。大山の物件は1階で隣の1部屋とと上の階の1部屋に
しか接していません。つまり縦に細長い物件で1階か最上階の
かど部屋がいい。
(3)壁にもコンクリートがはいっている物件を選ぶ。
一般的な鉄筋コンクリート作りの部屋には、天井と床にコンクリート
が入っていますが、隣との壁は石膏ボードで作られているケースが大半。
しかしよくよく探すと超稀に壁にもしっかりコンクリートが
はいっている物件もあります。これは壁を叩くとすぐに
違いが分かります。これで隣への音の遮音が全然違います。
(4)大通りに面していない部屋を選ぶ
多くの高層マンションは3車線以上ある大通り沿いにある
ものですが、そこは避けたほうがよいでしょう。2重窓
にしても改造マフラーをつけたチンピラ君に悩まされることに
なります。(あの改造マフラーなんとかなんないっすか?)
以上ほとんどSN比を保つためのものですが、ここが
一番肝心になりますのでそこだけに注意して選ぶ
のが良いでしょう。賃貸で5角形をした部屋など
絶対ありませんから(笑)
部屋を選ぶときは不動産屋さんの口車に乗せら
れないようにしぶとく、しぶとく、しぶとく
良い物件にめぐり合えるまで探すのがポイントです。
大山のリスニングルームは窓が3つに換気扇が2つ。
とかなり音の抜け道が多いです。そこを全部ふさいで
ゆきます。現在80%ぐらいの完成度です。
サイトで一部紹介。
http://www.diyloudspeakers.jp/idaf/data/98.html
当初に比べたらかなりSN比がよくなりました。
まだ人様を呼べるような状態ではありませんが、
だいぶリスニングルームと呼べる状態に近づいてきました。
ここが完成したらお休みしていたスピーカー製作も
再開しようと思います。
最後までお読みいただきどうもありがとうございます。