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2008年5月31日配信号
━━━━発行第2号[目次]━━2008/5/31発行━━━━━━━━●○
【 大山の自作SP道場 】FE208ES-R搭載のD58ESについて
【 オーディオコラム 】ショップの店員からオーディオ不況を考える
【 聞け!長岡鉄男の声 】「大口径の低域は遅れる?(第二話)」
【 今月の1冊 】炭山あきら「入門スピーカー自作ガイド」
【 編集後記 】もう股引はいらない!
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育毛剤の使用を検討している大山美樹音です。
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【大山の自作SP道場】FE208ES-R搭載のD58ESについて
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D58ESに関してスピーカー追求道でのレビューを3回ほ
ど書きましたが、周波数特性に納得がいかないという
ところで終わってしまっています。
これは現在使用しているFFTアナライザー(吉田
電子というところのリアルタイムアナライザーというもの
を使っています。)の結果がどうもいまいちなのです。
何故だか低域がすごくはやくおちてしまう。
これは例えば自分のスーパースワンを長岡先生の
F特と比較しても、低域がかなり早くきれているし、
他にサイトに公開しているスーパースワンなどと
比較しても落ちが早い。他の方の測定と比較してみると
よく分かる。
1、「手作りスピーカー研究会」小玉さんのスーパースワン。
2、長岡鉄男先生の方舟で測定したスーパースワン。
3、私のサイトで実験したスーパースワン。
http://www.diyloudspeakers.jp/idaf/data/6.html
部屋が違うわけだから当然f特は違うし、測定条件があまり
に違うから意味のない比較にも思えるが、それにしても私
の測定だけあまりに低域の落ちが早すぎる。これは他
のスピーカーもそうで「おかしい」と思い始めておりました。
現在の測定器に見切りをつけ新たな周波数特性機器
を探しているのですが全くといって手ごろなもの
が見つかりません。
最有力候補だったのがPHONIC社(台湾のメーカーの
よう)がだしているPAA3というハンディータイプの
アナライザー。有名なスピーカービルダーamano氏や
TE27氏も利用しているから性能は間違いないだろう。
しかし日本への輸入は既に中止になっていて
海外から入手するしかない。
アメリカや台湾のサイトに問い合わせてみるも個人輸入
には応じてくれないらしい。こうなったら直に台湾に
でも旅行をかねて行ってやろかかなと思って
もみたが渡航費だけで2,3万はかかるから
どうも2の足を踏んでしまいます。
次の候補はかの有名なオーディオコンサルタント加銅
氏が推薦する日本オーディオの製品「RC-2 レスポ
ンスチェッカー」。これは性能はよさそうなのだが、
値段が結構高い上、出力が専用紙でしか出せず毎回スキ
ャナーせなホームページにアップできない。
私のサイトは長岡鉄男先生のスピーカー研究
的な要素が強くあるのであまりいい加減なものを
掲載したくないのですが、(てか載せてますが・・・)
現在のコンテンツを消すわけにもいかないので納得
のいく測定ができるようになったら全てのスピーカ
ーをもう一度はかりなおしますのでもうしばらく
お待ちください。
話がだいぶ逸れてしまいました。
今回のスピーカー道場はFE208ES-R搭載のD58ESについ
てです。測定はできていないので聴感上のレビューになり
ます。
まずはこの写真を見てください。
http://www.diyloudspeakers.jp/idaf/data/7.html
右にはFE208ES搭載のD58ES、左にはFE208ES-R搭載のD58ES。
比較が分かりやすいようにまずはモノラルでの接続にして
アンプのスピーカーAにFE208ES。スピーカーBにFE208ES-Rを
接続してソースを変えながら音を聞き比べてゆきます。
始めはツィーターなしでスタート。
まず低域に関してだが、耳で一番聞き取りやすい中低域
は前のFE208ESの方がはるかに音がしっかりでている気がした。聴感上の能率
も208ESが上で、D58ESのFE208ES-Rは音が引っ込み気味でバックロー
ドらしさが少ない。
D58ES(FE208ES)はD58(FE208SS搭載)に比べてたでさえ低域
が少なく、高域が目立つと言われているのを聞いたことがあるが、
FE208ES-R搭載のD58ESはそれよりさらに低域の押し出しが少な
い。もし長岡先生が生きていらっしゃたら間違いなく箱を
再設計するんではないだろうかな?箱とユニットのミスマッチ
をかなり感じる。
D58ESにFE208ES-Rを搭載する場合はスロート絞り率をもう
少し下げてホーンロードをかけないとこれではバックロー
ドらしさがかなり後退する。これは自分でも実験してみよ
う思います。D58ESのスロート絞り率(1.04)は広すぎ
るという声は良く聞く。
ちなみにFOSTEXの説明書にある推奨の箱は長岡先生の
D58ESを参考にしているとのことだがスロート絞り率は
1.09となっている。これは方向が逆で0.95ぐらいにした方
がいいのでは?
ただFE208ES-Rは特徴として10khz以上の高域の伸びはFE208ES
に比べてかなり高いので低域さえ改善すればツィーターなしの一発
で相当聞くことができると思う。高域の伸びも綺麗で歪感も少ない。
特筆すべきは音像に関してはかなり小さい。これはボーカル系で視聴比較
を行うとすぐに分かり20センチのユニットの音像ではないと思った。
結論:
FE208ES-Rはユニット自体のポテンシャルは高い、特にボーカル
の音像の小ささは特筆。
しかし、D58ESでFE208ES-Rは最適な箱なのか疑問。
スロート絞り率が低いD55のほうがマッチするのかもしれない。
もう少しFE208ES-Rのエージング、箱の構成を変更、及び高域
とのつながりを見ながらD58ESとの相性を見てみようと思います。
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【オーディオコラム】ショップの店員からオーディオ不況を考える
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オーディオショップの店員は何故にしてこんなにも態度
が横柄な方が多いのだろうか?私は前々から疑問をもっていて
メルマガを始めたら必ずこのネタを書いてやろうと思っていた。
単なる愚痴である。
オーディオショップの店員というのは大きく分けると40~60代
でちょっと知識があるのを鼻にかける傲慢な社員か、ほとんど
オーディオに関心のないと思われるバイト店員のどちらかに大きく
分かれる。
バイト店員は問題ない。我慢強く、こちらの要求にこたえてくれる。
結構礼儀正しくこっちの言われたことだけを粛々と進める。
問題なのはちょっと知識をもった傲慢な社員のほう。
「このスピーカーは○○の素材をユニットに使っているから
最高の音です。」
「このスピーカーは○○という素材をエンクロージャーに使って
いますから最高の響きをだします」
「このユニットは○○の国で生産している最高級です。」
「このスピーカーを購入したら○○のアンプと△△のプレーヤー
を組み合わせるのがベストです。(次にそれを買ってください)」
「この商品はマニアに一番売れています。(あなたも乗り遅れない
ように)購入するのを勧めます。」
こちらがゆっくり視聴をしたいのに彼らは耳にタコができるような
使い古された、ありきたりなパンフレットに書かれたフレーズだけを
永遠としゃべり続ける。頼むから視聴の邪魔をしないでくれ~と
言いたくなる。挙句の果てこっちがちょっと難しい質問を投げか
けるとムッとして逆切れする店員もいる始末。
彼らは営業の仕事をしているのであって商品売らなければならない。
それは悪いことでも何でもない。しかし客の信頼を得ようと思うの
ならもう少し客の視点にたって営業トークを展開するべきではない
だろうか?
例えば私がもしスピーカーを売る立場に立ったら次のことは必ず
質問すると思う。
1、過去に使っていたスピーカー
2、そのスピーカーのどこに不満があって買い替えたいのか
3、部屋の広さ、特性(和室or洋室など)
4、大音量で聞くのか、小音量で聞くのか
5、再生するソース
他にもいろんな項目があるがとりあえずこの5つが絶対
欠かせない。これを聞かなければスピーカー選びの適切なア
ドバイスなんかできっこない。
以上を全て聞いた上で予算、サイズ、デザインなど音は関係
のない要素を加味してスピーカーを3,4選択する。視聴
は部屋とは条件が全く違うことを伝え、自分の経験から客に最も
あったスピーカーをお奨めする。
しかし客の耳にあったスピーカーを選択するため
に私が挙げたような質問を1つでも聞いてくる店員というのは
残念ながらほとんどいないのである。
コンサルティングの時代。規格大量生産の時代は終わって
これからは一人ひとりにあったオーダーメイド感を
だしていかないと生き残れない時代だそうだ。
オーディオ不況の原因はいろいろな理由があるのだろう。
けどオーディオショップの店員こそ売れない理由を他に
転嫁しないで自分の胸にそっと手を当ててみてもらいたいものだ。
以上。単なる愚痴でした。
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【聞け長岡鉄男の声(第二話)】「大口径の低域は遅れる?」
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「BH(バックロードホーン)の低域は長い音道を通過してくる
ので遅れると考えられていますが、確かに同じユニットをバ
スレフとBHで使った場合、BHの方が遅れますが、重いコーンの
低能率ウーファーを使っている市販のバスレフ、密閉とD130や
フォステクスのFEシリーズのような軽いコーンの高能率フルレンジ
を使ったBHとでは単純な比較はできません。ユニット自体の応答
速度にかなりの差があるからです。」
ー長岡鉄男のオリジナルスピーカー設計術1
P146読者からの質問に答えるコーナーから
「バックロードホーンの低域は遅れるか」「遅れないか」という
議論はよくでてきますが、それに対する長岡鉄男氏の答えがで非常
に有名なのが上の文章です。
「バックロードは、低域が遅れるがそれはユニットの反応性
の違いで補うことができるのではないか」という趣旨。
ユニットの振動板の重さのことをM0と呼ぶが、これが
低域の質を決める重要なファクターであることは間違いなく、
一般的に言って軽いM0からは軽い低域が、重いM0から
は重い低域がでます。(しかしあまりに軽すぎると今度は
低域自体がでなくなります)
それは小口径と大口径ユニットのスピーカーを視聴比較
すればよく分かります。8センチのウーファー(M0軽い)と
、20センチウーファー(M0重い)を比較すると上のユニッ
トの振動板の重さがの低域に与える影響を比較するのに大
変分かりやすい。
わたしは色々な長岡スピーカーを作ったが小口径(8、10センチ
)ユニットのバックロードのほうが低域の遅れ感となって現れる
現象(パイプ共鳴音や、低域のもたつき、ぼんつき感)
は非常に少ないのを感じる。
スワンスピーカー、スーパーフラミンゴ、バッキーなどの10センチ
口径のスピーカーはほぼ完璧だ。20センチのD58ESは結構いい。
しかし、16センチのD37、12センチのD111エスカルゴMこの2つは
決して悪くはないのだがやはり低域の遅れが目立つのである。この
違いは視聴によってのみわかるものでF特などには全く現れない。
これは好みの問題だから決して良い・悪いを言っているではない。
バックロードホーンにとことん振動板の重いユニット
(M0の重いユニット)を使う事だって全然あり。
けどやっぱり長岡鉄男先生のバックロードホーンで人気
のある機種を見ると軽い振動板+バックロードというのが
定番であるようだ。
結論:
私がこれまでやってきた限りでいうとバックロードホー
ンは多かれ少なかれ低域の遅れは確認できると思う。「
バックロードに使うユニットは応答速度が早いからバスレフよ
り遅れない」と言うのにはちょっと無理がある気がする。
しかし、小型ユニットのバックロードは大型ユニットのバック
ロードに比べて、(ユニットの重さが軽いため)応答速度は速く
低域の遅れは感じにくいのは紛れもない事実。
ちなみにこのユニットの大口径、小口径の応答性はバック
ロードに限らず全てのスピーカーシステムについても同じ
ことが言える。現代は大口径スピーカーが少なくなっ
てしまったのは、「現代人が耳が悪くなったからだ」とか、
「20hz再生しないとオーディオではない」などスゴイことを
言う人もいるが、私は「現代人は小型の応答性の
良いスピーカーが好みの人が多い」結果、小型ウーファーの
時代になったのだと思う。
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【今月の一冊】炭山あきら「入門スピーカー自作ガイド」
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毎月1枚づつソースを紹介するコーナーですが、
今月は超超稀に「自作スピーカーの本」が出版されたのでこちらの
紹介。
http://www.diyloudspeakers.jp/idaf/data/8.html
炭山あきら氏といえば長岡先生御在命中から週間FM誌の記者
として長いご交友があり、長岡先生死後もスピーカーの図面
を多く書かれている方です。
内容はタイトルどおり自作スピーカー関連のものが全て。
内容はある程度理論的な解説にも踏み込んでいるので
中級者向けでしょうか。とはいえ初心者向けに製作の工程
写真などもふんだんに載っています。
スピーカーユニットの説明特にフルレンジ関連のもの
は炭山氏独自の切り口ものが多く参考になりました。
バックロードに関しての記述が少ないのはちょいと
残念なものの、ネットワーク、ユニットの理論解説は分かり
やすく特にP65~66のフルレンジとウーファーの違いは良かったです。
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【編集後記】もう股引はいらない!
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暖かくなってきましたね。
私はとことん寒がりで5月まで股引(大阪人は「パッチ」と
言うらしい)をはいていないと冷えてだめなんですが、
やっとズボン一枚になれる季節になりました。
オーディオの自作も外でやる方も多いと思うのですが、
冬の寒い時期にスピーカー自作をやるのは、真冬の海で
サーフィンをやれるような超マニアの方々だけでしょう。
ちなみに大山は1月にD58ESを完成させたから超マニアか?
私はDIY好きが高じて木工の道に進みました。仕事は先輩
と親方に尻を叩かれ、時間との戦いで製品を作ってゆきます
が、休みの日の工作は誰にも邪魔されず思い切り木工ライフを
エンジョイします。スピーカー作ってると3時間、4時間
あっという間に経ってしまいますね。仕事もこれくらい
楽しければどんなに楽なことか・・・。
まあともあれこれから10月ぐらいまでは思いっきり木工
作業なり、塗装を外でやれる時期ですので、休みの日には
新しいスピーカーにチャレンジされてはいかがでしょうか?
あっそうそう、先月だした創刊号のメルマガに大変
多くの方から反響をいただきました。僅か200人ほどに配
信したメルマガに11通ものお便りをいただきました。凄
まじい数ではないでしょうか?メッセージありがとうございます。
これだけ多くの応援のメッセージをいただいてメルマガ
を続けていける自信もついてきました。
1通づつ目を通させていただきご返信を差し上げましたが、
今後たくさんお便りいただいた場合ご返信にちょっと時間が
かかってしまうこともあるかと思いますので、ご了承願います。
今後メッセージは匿名でメルマガに使わせていただくこともあるかも
しれません。
最後まで読んでいただいてどうもありがとうございます。
大山美樹音